2013年8月5日月曜日

<スペクトルあれこれ>(3) 分光スペクトル(透過率と吸光度)


サンプルに入射/透過した光量は、透過率で表すと理解しやすい。物質に光が入射した時、入射した光全部が透過したとすると物質は透明になるが、100%の光が透過することは実際にはほとんどなく、透明に見えるガラスでも、ガラス面に入射した光は約4%(ガラスの屈折率を1.5、空気の屈折率1とすると)が反射(フレネル損)する。この場合透過率は96%になる。しかし多くの場合、透過率より吸光度でスペクトルを示すことが多い。これは図Ar3-1に示すランバート・ベールの法則によるところが多い。サンプル特有のモル吸光度係数とサンプルの厚さが既知とするとスペクトルの吸光度からサンプルの濃度が推定できるからだ。
                           

Ar3-2にポリスチレン板の赤外域波数と透過率の例を示す。
ポリスチレンは赤外域に幾つかの強い特徴的な吸収を持ち幾つかのピークは、波数(波長)の基準にも用いられている。理科年表には幾つかの物質の吸収波数(波長)が記載されていて、ポリスチレンも3026cm-1、2925cm-12849cm-1等基準になる吸収波数が記載されている。、それぞれの吸収ピークは、化学構造と対応し、2925, 2849cm-1は ”-CH2-”、3026m-1は”ベンゼン環とCH”に依存している(図Ar3-3)。
 
 

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